イタリア・トスカーナ州の伝統的製法で作られるプエブロレザー。植物タンニンなめし+牛脚油をたっぷり含ませた素材で、使い込むほどに深みが増し “育て甲斐” のある革として人気です。sot(ソット)の財布・革小物でもこの革を使ったアイテムは定番中の定番。
しかしその反面、「意外と扱いが難しい」「思ったより汚れる」「ひび割れした」などの声もあります。
この記事では、プエブロレザーの デメリット を中心に、経年変化・色のおすすめ・手入れのコツ・耐久性・ひび割れなど、購入前・使用中に気をつけたいポイントをまとめます。
知っておきたい!プエブロレザーのデメリットとケア方法 ― 経年変化・色・耐久性からひび割れまで徹底解説
プエブロレザーとは?


まずざっと特徴を押さえておきましょう。
- イタリア・トスカーナ州の老舗タンナー バダラッシ・カルロ社(Badalassi Carlo) による、植物タンニン鞣し+牛脚油を使った革。
- 表面は “和紙のようなざらりとしたマット感” があり、最初はつやが少なくても使っていくうちに油分が表に出てきてゆくことで艶や色の深みが出てくる。経年変化が魅力の革。
- 革の部位は「ショルダー」(肩部)を使っていることが多く、繊維が比較的詰まっていて、丈夫さ・ハリのある革質。
プエブロレザーのデメリット(購入前/使用中に注意したい点)
以下は、sotや使用者レビューから見られるデメリット・マイナスポイントです。
デメリット | 内容・理由 |
---|---|
最初は硬く感じる/馴染むまで時間がかかる | プエブロレザーはショルダー部位を使い、植物タンニンと油分がしっかり含まれているため、使い始めは硬く、折り曲げ・開閉、ポケットから出し入れなどで少しこわばりを感じることがあります。使い込むと柔らかくなりますが、それまでに手間と時間が必要。 |
色味・艶の予想と違うことがある | 最初はマットな質感で光沢があまりないが、使用や手入れ・油分の出方によって色・ツヤの出かたが個体差が大きい。写真や店頭サンプルで見たときと、照明/使用後の見た目が異なることがあるため、「思っていたより暗い/光沢が出すぎ/ザラがなくなる」などの不満を述べる人も。 |
毛羽立ち・手触りのザラ感 | 表面に細かい毛羽が立っており、“ざらり”とした手触りが特徴。ただし、この毛羽部分が摩擦・使用によって寝たり、磨耗したりすることで見た目が変化する。ザラザラ感が気になる人は気になる可能性あり。 |
汚れが付きやすい/水染み・シミが残ることがある | マットで油分が落ちてくる前の状態では、水・汗・油・摩擦による色ムラができやすい。特にキャメルやライトブラウンなど明るめの色は汚れが目立つ。油分を補う・メンテナンスを怠ると、乾燥したり色がムラになったりする。 |
ひび割れやコバの劣化 | 長期間使い、乾燥が進む・油分の補給が不足する・強く曲げたりする・日光・極端な気候にさらすことがあると、革がひび割れてしまう可能性がある。乾燥対策をしないとそのリスクが増す。 |
コストがやや高め/価格対予想とのギャップ | 良い素材・職人による鞣し・手入れがしっかりされている分、価格が相応に高い。加えて、革の使い始め・手入れ・色味の変化などが普通のイメージより手間と時間がかかるため、価格に対する期待と実際の満足度にギャップを感じる人も。 |
重さ・厚み | プエブロレザーはある程度の厚みがあり、折りたたみ財布・長財布など構造・内装によっては厚み・重さを感じることがあり、ポケットに入れる財布としては少しかさばる・重めになることがある。 |
経年変化(エイジング)の魅力と留意点


プエブロレザーを選ぶ大きな理由の一つが経年変化ですが、それには良い点と注意点があります。
✅ 魅力
- 使い込むほどに表面に油分が上がってきて、マットな状態からしっとりした光沢へと変化していく。キャメル系やブラウン系などは深い色合いになることが多い。
- 革の香りや革らしさ(質感・手触り)が増し、使用者だけの“味わい”が出てくる。所有感・愛着が強くなるとのレビュー。
⚠ 注意すべきこと
- 経年変化の進み方は環境(使用頻度・湿度・油分補給・晴雨の exposure)に大きく左右されるため、「思ったようなツヤ・変化が現れない」という声もある。夏・雨などで濡れた後の手入れが悪いとムラやシミが残ることがある。
- 経年の途中では毛羽立ち感が落ち着かず、表面が“くすんで見える”期間がある。これを嫌う人には“未完成感”を感じることも。
色のおすすめ・汚れ・色あせに関するポイント


色の選び方 | メリット/デメリット |
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ブラウン系(キャメル・ダークブラウンなど) | 経年変化が最も目立ちやすく、艶・深みが出やすい。汚れ・キズも自然に目立ちにくく、変化が味わいとして楽しめる。 |
ブラック系 | 色落ち・色むらの影響が比較的少ない。汚れ・シミは目立ちにくいが、ツヤ感がでにくい・傷が白っぽく見えることがある。 |
明るめの色(ベージュ・ライトブラウンなど) | 初めは見た目が軽く明るくて魅力的。ただし汚れや摩擦・汗などで色ムラ・黒ずみが出やすい。手入れが大事。 |
汚れについては、革表面のザラザラ感・毛羽立ちの段階でホコリ・ゴミが入りやすいため、こまめなブラッシング・乾拭きが有効。水濡れ・強い汚れは乾いた布で押さえるように拭き、自然乾燥。


手入れ方法(メンテナンスのコツ)


プエブロレザーを長く良い状態で使うための具体的なケア手順を以下に。
1.日常ケア
・使用後は柔らかい布で表面のホコリ・汚れを軽く払う。
・乾燥が気になる季節は革の油分を補うミンクオイルまたはレザークリーム(植物性成分が望ましい)を薄く塗布。ごく少量で。
・光や直射日光に当てすぎない。紫外線・熱により色あせや乾燥が進む。
2.水・湿気対策
・濡れたら速やかに柔らかい布で水分を拭き取り、陰干し。ドライヤーなどの熱風は避ける。
・湿度が高い場所に置きっぱなしにしない。カビ・においの原因になる。
3.油分補給(栄養)
・表面の艶を持たせたいとき・乾燥が進んだと感じたときに、革用油分クリームを使う。sotでもメンテナンス用品を販売。
・オイルを使うと色味が少し暗く/濃くなる場合があるので、まず目立たないところで試す。
4.保管方法
・直射日光/高温を避けた風通しのよい場所で保管。特に湿気と熱がレザーには大敵。
・形が崩れないように中に紙などを詰めたり、重ね置きしない。
5.ひび割れ予防
・乾燥させないこと。定期的な油分補給。
・曲げる・折り曲げの動作を繰り返す場所には注意(財布の折り目・コインポケットの開閉など)。
・使い始めは硬さがあるので無理に折り曲げず、徐々に革を馴染ませる。


耐久性についての実感レビュー
●sot のプエブロ二つ折り財布を使ったレビュアー曰く、1〜2年使っても形崩れが比較的少なく、コバ(端)の処理もしっかりしていれば大きなほつれなどは起きにくい。使い込むことで内部の油分が表に出てきて柔らかさ・ツヤが増すため、見た目にも “育てた” 感が出る。
●ただし、外装・開閉・コインポケットなど使用頻度の高い部分はどうしても摩耗が起きやすい。耐摩耗性は万能ではなく、過酷な扱い(頻繁にポケットに入れる・硬さのあるものとの摩擦が常)には弱いという意見。
プエブロレザー財布のおすすめ商品/用途別選び方




財布に使うなら、以下のような点を考慮するとより満足しやすいです。
●二つ折り財布 vs 長財布:二つ折りは折り曲げ部分での折り目のひび割れ・硬さが目立ちやすいため、使い始めは注意。長財布は広く平らな部分が多く、折り曲げ部分が少ないので“育て甲斐”があり比較的扱いやすい。
●色選び:初めてのプエブロなら、ブラウン系(キャメル〜ダークブラウン)がおすすめ。ブラックもいいがツヤの変化が見えにくい。明るめ色は見た目良いが手入れの頻度を高めに。
●内装・仕立て:コインポケットの形状・フラップ・マチなど、財布の使い方に応じて選ぶ。開閉が多い部分は革にストレスがかかるため、その構造がしっかりしたものを。
●価格 vs 相応性:プエブロの財布は決して安くはないので、「経年変化を楽しみたい」「長く使いたい」目的がはっきりしていると選びやすい。


FAQ(よくある質問)
質問 | 回答概要 |
---|---|
プエブロレザーは「汚い」と感じることがありますか? | 汚れやシミ・汗・油などが目立つ明るい色を選んだ場合、使い始めは落ち着きのないムラやくすみを感じることがある。ただしこれは“完成への過程”とも言え、手入れ・クリーム・油分補給で改善可。材質的に汚れを完全に防ぐのは難しいが“味”として受け入れる向きには魅力になる。 |
ひび割れは起きるもの?どう防ぐ? | 折り曲げ部分・乾燥が主な原因。硬い状態で曲げすぎたり、油分補給をしない/湿気・乾燥のコントロールが悪い環境で保管すると起きやすい。定期的にケアをすることが予防になる。 |
耐久性はどの程度?長く持つもの? | 数年~5年以上経っても十分使えるレビューが多い。外装の擦れ・コバ処理がしっかりしていれば見た目の劣化は緩やか。ただし毎日酷使するような使い方・手入れ怠り・極端な環境では劣化が早くなる。 |
どの色が “おすすめ”?明るめ/暗めどちらが良い? | 初めてならブラウン系(キャメル・ミディアムブラウン)を。ブラックは汚れ目立ちにくいがツヤや変化が見えにくい。明るめ色は目を引くが扱いに注意。自分の使い方・ケア頻度に合った色を選ぶと失敗が少ない。 |
手入れをサボるとどうなる? | 表面が乾燥してくすむ・ひび割れやコバの剥がれ色むらが出やすくなる。毛羽立ちが落ち着かず、革の深みのある光沢が出にくくなる。使用感は“育っていない”=“未完成”と感じることも。 |
まとめ(結論)
プエブロレザーは、その独特の手触り・経年変化・素材感で「育てる楽しみ」がある革です。一方で、「最初の硬さ」「汚れ・ムラ」「色味の予想との差」「ひび割れ・乾燥」など、扱いにコツがいる素材でもあります。
購入のコツとして:
●明るい色を選ぶなら汚れやムラを気にする頻度を想定する
●ケア用品(クリーム・ブラシ・布など)を揃えておく
●折れ曲がる部分・革にストレスがかかる部分の構造をチェックする
●長く使えるように使い方・保管環境を整える
こういった点を押さえれば、デメリットを最小限にしながら、プエブロレザー財布・革小物を長く愛用できると思います。